パラリーガル(法律事務職員)WEB
  • facebook
  • lineat
  • twitter
パラリーガルコラム

私が感じた一般企業と法律事務所の違い

2016.12.02 written by ずんだ係長

みなさんこんにちは。ずんだ係長です。
今回のテーマの内容をお話しするにあたって,私が今まで勤めてきた企業や法律事務所についてお話ししたいと思います。

私は現在の法律事務所に勤めるまで,一般企業を含めて四社を経験してきました。大学卒業後,初めて勤めた企業は,全社員数1000名規模の学習塾でした。
二社目も一般企業で,社員数10名以下の,派遣業を主とする会社でした。
その後,弁護士1名パラリーガル2名の法律事務所に転職しました。そして現在は,弁護士7名パラリーガル4名の法律事務所で,あらゆる案件の事件処理と秘書業務を行っています。今回はそんな私の視点から,一般企業と法律事務所との違いについて見ていきたいと思います。

1 規模の違い
一般企業で大企業ともなると,従業員数数千人規模から数万人を超えるものもありますが,法律事務所では一番大きい事務所でも弁護士数が500人余りで,パラリーガル等の従業員を含めても1200人程の規模となっています(ジュリナビ2016年ランキングより)。
一般的に多いのが,弁護士1名から5名程度の法律事務所であり,弁護士10名も所属している事務所であれば,中規模事務所と言えます。実際には,弁護士1名から5名程度の小規模法律事務所がほとんどを占めています。

2 部署の違い
一般企業では部署や課があり,部長や課長等の管理職が置かれることが多いですが,法律事務所では,弁護士とパラリーガル・秘書といった分け方になり,管理職が置かれている事務所は,大規模事務所を除いてほとんどありません。そのため,所属するパラリーガルや秘書には,確実な判断力が求められていると感じます。
その判断力とは,自分で判断する能力だけではなく,弁護士に任せる案件なのか否か臨機応変に判断できる能力も含めてです。言うなれば,一人ひとりが管理職であるといったイメージです。

3 取り扱う業務の違い
法律事務所で取り扱う案件のほとんどは「もめごと」です。一部の簡裁事件を除いて,裁判所で代理人として法廷に立つことができるのは弁護士だけです。一般企業ではこの事件を取り扱うことはできません。

また,もめごとを取り扱うからこそ守秘義務も厳しく,弁護士法23条では,「弁護士又は弁護士であつた者は,その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し,義務を負う。職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。」と規定しています。パラリーガルや秘書が依頼者について他言することもご法度です。そのため,常に一般企業とは違った緊張感を持って,業務に取り組んでいます。

いかがでしたでしょうか。今回は,法律事務所が一般企業と異なる点を紹介させて頂きましたが,これはほんの一部です。日々の業務の中で,一般企業とは違った法律事務所ならではの点を見つけていくのも,楽しみの一つであると私は感じています。

他の記事も読んでみる
コラム一覧ページへ →

ページトップへ