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vol.16 日本の弁護士の現状 その2

2012年1月6日配信

前回、「日本の法律事務所の実態 その1」では、パラリーガルの上司となる弁護士が、どのような試験に合格してきたのか、また旧司法試験から新司法試験に移行し、どう変わったのかをお話しさせて頂きました。今回は、新司法試験体制に変わったことで、弁護士の現状はどのように変化したのかを、詳しく見ていきたいと思います。

(1)新司法試験制度に移行したことでの問題点

当初、司法制度改革審議会が目標に掲げていた合格率には達していないものの、司法試験の合格者数は予定通り増加の一途を辿っています。しかしその反面、弁護士の就職難が年々深刻化してきています。前回お話ししたとおり、新司法試験合格者の司法修習は11月からの1年間で、通常であれば弁護士志望の修習生は2月ごろから就職活動を本格化させ、面接などを経て修習中に法律事務所や企業への就職を決めます。ですが、修習中に就職先が未定の修習生が年々増加しており、今問題となっています。毎年7月に実施している調査によると、「弁護士志望だが就職先が未定」と答えた修習生は、2007年には回答者の8%しかいませんでしたが、2008年には17%、2009年には24%、2010年には35%、2011年は43%にまで達しました。3年で約2.5倍も増加しており、今後とも増えていくと予想されます。

(2)就職難による弁護士の現状

昨年の日本弁護士連合会による調査で、新司法試験に合格し司法修習を終えた弁護士志望者のうち約2割が弁護士登録をしなかったことがわかりました。弁護士急増による就職難で、弁護士会費などを払える見通しがたたず、登録したくてもできない志望者が増えているとみられています。未登録者の割合も、新司法試験合格者が就職を始めた2007年以降年々増加しており、昨年は過去最高となりました。 最近では、就職できずに法律事務所の机だけ借りて固定給はない「ノキ弁(軒先弁護士)」になるのも難しく、いきなり独立開業する「即弁(即時独立弁護士)」と呼ばれる弁護士が増えてきています。東京の弁護士会では、実務経験に乏しく開業資金もままならない即独弁護士を支援しようと、低価格で事務所スペースの提供するなどの対策もとっています。

(3)変化する弁護士の就職先

そんな弁護士業界の就職難を受け、弁護士の就職先も変わりつつあります。日本弁護士連合会は、少しでも働き口を増やそうと、企業に所属する「企業内弁護士」の採用促進を経団連に働きかけており、最近では企業内弁護士の求人も多く見られるようになりました。また、新人弁護士を総合職の行員として定期採用する銀行も出てきています。「弁護士=法律事務所」という今までの常識は、大きく変化してきています。

弁護士の増加が続いていく限り、就職難は益々深刻な問題になっていくと予想されます。また、新人弁護士だけでなく、全ての弁護士の生き残り競争も益々激化していくでしょう。そんな時代だからこそ、優秀なパラリーガルが求められているのですね。

次回配信は2/3(金)です。競争が激化している弁護士業界ですが、今後はどのように変わっていくのでしょうか?次回は、弁護士業界の将来について触れたいと思います。お楽しみに!