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vol.15 日本の弁護士の現状 その1

2012年1月6日配信

前回、「日本の法律事務所の実態 その2」では、日本の法律事務所において共同事務所化が進んでいるため、競争が厳しくなり、質の良いサービスを迅速に提供する必要性から、パラリーガルの需要も高まっていることをお話させていただきました。今回は、パラリーガルの上司である弁護士がどのような試験に合格してきたのか、新司法試験になってどう変わったのかを見ていきましょう。

(1)旧司法試験から新司法試験へ

2002年の司法試験法の改正によって、2006年度から新司法試験が実施されています。2006年から2011年までの移行期間は、新司法試験と従来の旧司法試験が併存していましたが、2011年から旧制度は完全に廃止され、新司法試験への移行が完了しました。旧司法試験は、その高度な内容や、合格までに何年もの期間を要すること、合格者が極端に少ないことなどから、「国家試験の最難関」、「現代の科挙」と呼ばれていました。旧司法試験に合格するまでには、平均4~5年の受験勉強が必要と言われ、さらに合格後は司法修習生として約1年半司法研修所に入所し、実務の勉強をします。その後は先輩弁護士の事務所などに就職して経験を重ね、やっと弁護士は一人前になるのです。

(2)新司法試験に変わった背景

2002年の日本の弁護士人口は18,838人で、国民の1万人に1人しかいませんでした。国民一人当たりの弁護士数を増やし、裁判等の迅速化を図る目的で、法曹養成制度の改革が行われました。実務や専門知識を習得するために、アメリカのロースクールに似た法科大学院を創り、そこを出たら7~8割が合格する新司法試験を目指しました。また、司法研修所での研修期間は1年に短縮しました。旧司法試験は受験に制限がなかったのに対し、新司法試験では法科大学院修了日後5年以内に3回のみ受験資格を与えることとしました。2011年の制度移行完了後は、法科大学院を修了していない者は予備試験に合格するか、受験資格が消滅した場合は、再び法科大学院を修了することで受験資格を得られるという制度になりました。

(3)新司法試験移行後

2010年旧司法試験では、受験者数13,223名に対し合格者59名で合格率は0.4%でした。同年の新司法試験では、受験者数8,163名に対し合格者数2,074名で合格率は25.4%、移行期終了後の2011年新司法試験では、受験者数8,765名に対し合格者数2,063名で合格率は23.5%となっています。司法制度改革当初の目標7~8割の合格率には及んでいません。これは、当初国が予想していた以上に法科大学院の設立が増え、法科大学院生が増加したためです。弁護士になるためには、今も昔も変わらず難関である司法試験に合格し、豊富な実務経験や専門知識を習得していく必要があるのです。

いかがでしたでしょうか。パラリーガルの上司となる先生方は、何年もかけて一人前の弁護士への道を歩んできたのですね。次回配信は1/20(金)「日本の弁護士の現状 その2」です。新司法試験体制に変わったことで、弁護士の現状はどのように変化したのかについて、お話しします。お楽しみに!