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パラリーガルコラム

私の一日~スケジュールをご紹介~(後編)

2017.04.14 written by 眠る花

さて、前回は「私の一日(前編)」で、お昼休みまでの午前中のお仕事として、訴状を提出する際の流れを追ってみました。
今回は「私の一日(後編)」、午後の仕事をお届けしたいと思います。

午前中に外出し、外回りの仕事を済ませてお昼休憩を挟んだ後は、事務所の中で事務作業です。
今日の午後の仕事は戸籍謄本の請求です。

これは士業ならではの業務だなあと毎回感じるのですが、弁護士をはじめ、法律で定められた資格者は、受任している事件やその事務に関する業務のために必要がある場合には、対象者の戸籍謄本類や住民票類の交付請求をすることができることとなっています。
訴訟を提起するためには訴えの相手方の所在地を確認しなければならないことや、遺産分割についての依頼を受けた際、戸籍をたどれないと相続人を確定できないといった不都合が出てきてしまうことなどから、このような特別な権利が認められているのです。
もちろん、戸籍や住民票に記載された個人情報は保護されないといけないので、役所に提出する戸籍や住民票の職務上請求書には、利用目的をきちんと記入して、不正請求でないことを明らかにする必要があります。

では、今回私はなぜ戸籍を請求するのかというと、弁護士が相続に関する相談を受けたため、戸籍をたどって相続人を確定し、相続人関係図を作成しておいてほしい、と指示を受けたからでした。
相続人を確定するためには、一般的に亡くなった方の「生まれてから亡くなるまで」の戸籍が必要だと言われていますので、結婚して戸籍を新しく編製されたり、コンピュータ化により戸籍が作成され直したりすると、それ以前の戸籍をたどり、ある人が生まれてから亡くなるまでの戸籍をすべて取り寄せなければなりません。

実はこの作業、個人的に法律事務の中でもかなり好きな作業なのです。
相続人の漏れがないように、戸籍の有効期間をひとつひとつ丁寧に読み取り、一日も途切れることなくあるひとが生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本類をずらりと並べたとき、達成感を感じるとともに、そのひとがどんな人生を送ってきたのかに思いをはせながら、相続人関係図を作るのが楽しいのです。ちょっと変かもしれませんが・・・。

このように戸籍の郵送請求の処理をしたり、相続人関係図の下書きをしたり、その他の時間で弁護士から指示を受けた仕事、たとえばちょっとした書類のコピーや書面の郵送などのこまごました仕事を積み重ねて、私のある一日の午後は終わっていきます。
なんということもない、パラリーガルの普通の一日を2回に分けてお伝えしてきましたが参考になりましたでしょうか。少しでもパラリーガルのお仕事を具体的に想像する一助となっていましたら嬉しく思います。

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