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パラリーガルコラム

困った依頼者さん

2017.01.20 written by 眠る花

法律事務所にはたくさんの方が多種多様な悩みを抱えて相談に来られます。
貸したお金を返してほしいという方、夫のDVに悩み離婚したいという方、借金を抱えて首が回らなくなり破産をしたいという方・・・その相談内容は千差万別で、事実は小説よりもドラマよりも奇なり、と感じることも時にはあります。
その人間模様は非常に興味深くて、世の中には人間の数だけそれぞれの人生が混然と存在し、それらが交錯して社会を形成しているんだなと思います。

ただ、弁護士が秘密保持義務(弁護士法第23条、刑法第134条)を課されている以上、法律事務職員も事実上、同様にこの義務を負うと考えられていますので、思わず誰かに話したくなるような面白い(?)案件を弁護士が抱えていても、だれかれ構わずその内容をお話しすることはできません。

ここでは可能な範囲で、法律事務所に来られる依頼者さんについてお話してみます。

弁護士と事務所で会う約束をしたものの、いざ当日、時間になっても現れず、事故かと心配して電話してみると横でテレビの音が聞こえ、すっかり忘れてたわと悪びれずにおっしゃる依頼者さん。
事務所に電話をかけてこられるたび、なぜか毎回絶対に名乗らない依頼者さん。
弁護士と委任契約を交わしたまま音信不通になる依頼者さん。
金髪ツインテール&全身キティちゃんの依頼者さん・・・等々いらっしゃいましたが、その都度、臨機応変に対応可能であればそれほど問題ではなく(弁護士との信頼関係が揺らぐことはあるかもしれませんが)、あくまで私の経験上ですが、本当に困る、という方には、実はそれほど多く出会っておりません。

ここで、知人の弁護士事務所に相談に来られた方の話をひとつ。

相談者は、とある既婚男性。法律相談の内容は、離婚。妻が不倫をしているようだ、との主張。知人の弁護士はすべて話を聞き、最後に気になる質問を投げかけました。
「念のためにお尋ねするのですが、あなたは不倫していませんよね?」
男性はきっぱり、「していない」。
その日は法律相談のみで終了し、相談者の男性は帰られたそうですが、この男性を見送って間もなく、同僚弁護士が外出先から戻ってきて、ひとこと。
「さっきの男性、事務所の前で女性と自転車二人乗りして帰っていったよ!」
離婚の法律相談後に、まさに離婚を望む妻とふたりで仲良く自転車で帰宅するわけもなく、目撃者の弁護士によれば「女性は男性の背中にギュッと抱きついてた」ということなので・・・。
弁護士の先生にとっては、こういう依頼者が一番困るのかもしれませんね。

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