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パラリーガルコラム

私の転職活動~どうしてパラリーガルになったのか~

2017.05.26 written by 和希

大学時代、法律事務所でアルバイトをしていました。何故か当時すぐにでも弁護士になれるとの強い勘違いから、事務所で働くことを希望するのは当然だと、弁護士事務所のバイト先をさがしたのでした。若いとは、恐ろしい。

そんな思い込みの中、学内アルバイト検索サイトで見つけた事務所は、中規模で各地にいくつか支店もある、勢いある事務所でした。
当時はサラ金過払請求全盛期。過払計算や破産申立てのための雑務補助、裁判所・弁護士会館・検察・他事務所へのお使い、膨大なコピーやシュレッダー処理など色々こなして楽しく一日が終わる。そんな学生アルバイトの私がみた初めての弁護士事務所で、事件を責任もって担当し、時には弁護士以上に依頼者に寄り添い、そして弁護士の右腕として働くパラリーガルの姿は、弁護士と同じくらいかっこよく見えたものでした。

その事務所の方はみんな素敵だったけど、中でも私にとって特別だったのは、旧司法試験に挑んで、最終あと一歩届かない状況から専業受験生(受験だけに専念している司法試験受験生のこと)をやめ、その事務所で正社員として働き始めた、そんな女性でした。小柄で控えめで、でも凛としていて佇まいが利発な雰囲気。彼女は当時30歳くらいで、その見た目の可憐さとのギャップも、当時の私は衝撃でした。

彼女の目に私がどう映ったかはわからないし、個人的な付き合いも全くなかったですが、忘れられないやり取りがあります。
朝、彼女と事務所のエレベーターで一緒になり、ちょっとお話ししたときの事。私は何の気なしに、試験されていたんですよね、と訊きました。そのとき彼女は、それは冷静に、でも強くはっきりと「まだ、あきらめてませんから。」と答えてくれました。それから彼女は、何故弁護士を目指したのか、どんな弁護士を目指しているのかを、教えてくれました。

彼女は事務員としてもとても優秀(ボスの先生や同僚の方がそうおっしゃっていた)で、夢があることと、夢に最も近い場所で目の前の仕事とを完璧に両立させているその姿が、キラキラしていて、まぶしくて、私は強くあこがれました。
だから私が専業受験生を辞める時は、必ず彼女のように、夢をあきらめず、強く、今までのことを無駄にしないという意味でもパラリーガルになるんだ...!と思ったことは、法律事務員専門の派遣登録に踏み切ったきっかけのひとつでした。

でも現実の私は、簡単に弁護士になれるはずはなく、パラリーガル業だってあんまり向いていなかったけどね。

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